I N T H E L I B R A R Y
最近知った
彼の意外な特技。
いや意外と言うよりきっと当然なのだろう。
頭が良いとは知っていたけどまさかここまでとは思ってもみなかった。
「エドーこの本ってどこにあったやつ?」
「北から三番目の棚の上から二段目」
「これは?」
「一番南側の棚の上から五段目」
「じゃあこっち……」
「だぁもう!!いい加減にしろ!!」
「ぅ……ゴメン」
叫んだと思ったらすぐに視線を本に戻して集中し始めた。
話し掛けにくい雰囲気がヒシヒシ。
仕方なくエドが読み終った本を自力で戻すことにする。
五、六冊を腕で抱えて本棚の間をを行ったり来たり。
エドが手伝ってくれたらすぐ終わるのになぁ。
口を尖らせて恨みがましくエドを見た。
そう、最近知ったエドの特技。
本の入っていた本棚の位置を覚えている、と言うこと。
いつも大量の本を一度に持ってきて、でも返す時には迷うことなく正確に元の位置に戻す。
最初は特になんということもなく気にもとめてなかったが、
自分が本を戻すことを手伝うようになってその大変さが分かる。
そしてふと彼に尋ねて見れば、すらすらと出てくる本の位置。
「……絶対エドがやった方が早いのに…」
コトリと本を棚に入れた瞬間。
私はびくりと肩を震わすことになった。
「
、それは北から五番目の棚の一番下の段だ」
「………はぁ〜い」
どこに目が付いてるのよ、とこちらを見ないで声を発した彼に溜め息をつく。
夕暮れ。
図書館の閉館時間だ。
「エド、もう閉まっちゃうよ」
「ん、ああ」
エドがようやく顔を上げて首を鳴らす。
そういえばお昼からずっと読んでたんだよね。
相変わらずのすばらしい集中力だ。
そして自分の読んでた本を棚に戻す。
他の本は私がさっきまで片付けていて、今はもうなかった。
「本
片付けてくれてサンキュな」
「てゆうかエドがやった方が良いと思う」
つまんないし疲れるし、と愚痴を雫せばエドは笑って、
「でも
はやってくれるだろ?」
と一言。
それだけでくすぐったくて恥ずかしくて。
プイッと顔を反らすとエドの手が頭の上に乗った。
「それに…何か仕事なきゃお前帰るじゃん」
小さく囁かれた声にどきりと胸が高鳴る。
煩い心臓を抑えながら出たのはかすれた声だった。
「でも私がいたら邪魔じゃない?さっきも怒鳴って来たし……」
「あっアレは!………オレが教えたら早く終わってお前は暇になって、
って……あーもう兎に角
に帰って欲しくないんだよオレは!!」
ボリュームの大きい声が耳に響く。
ちょっと痛いけどかなり嬉しいことを言われた気がする。
「
がいるから安心して集中できんだよ」
照れた顔を隠すような手を掴んで両手で包む。
びっくりしたエドをくすりと笑って。
「帰ろっか」
「そうだな」
くすくすと笑い合って手を繋ぐ。
しあわせな帰り道。
明日も貴方の隣でまた通る道。
sozai:dear013