あれ、エド、もしかして。
























「ねーねーエドー。」
「ん?」



久しぶりに一緒に外出。
新しい街に来てからのエドは、すっかり図書館にこもりきり。
ただ今日はすごく天気が良かったから。
ぽかぽかしてて、桜が咲き始めたから。
「今日は1日デートをしましょう」って誘った。
そしたらエドは一瞬悩んで、ニカッてちょっと大人になった顔で笑って、
「いいぜ」って言ってくれた。
だから今日はずーっと二人で買い物して日向ぼっこして。
すごくすごーくしあわせな1日を過ごしていた。


肌寒くなってきた、帰り道。

隣に歩くエドを見てふと気づく。



「背、おっきくなった?」



前は同じくらいの目線だった気がする。
でも今、私の首はちょっと上向き。
エドの眼を見るために、ちょっと顔をあげなきゃならない。



「前から大きかっただろ」



何を得意な顔して言うか。
いや、ちっちゃかったよ、なんて言うとちょっと怖いので、軽く睨んで。



「んー、まぁそうだとしといても、やっぱ背伸びた?」



どうだろうなーってごきげんな顔。
ほんと分かりやすい。
さっきから頬が緩みっぱなしだよ、この人。
私の頭からつつつーって手で自分の額に線を描く。



「確かに、前に比べたら伸びたかもな」



うん。
顔つきがちょっと大人っぽくなって。
体ももっとがっちりしてきて。
背も、これからもっと伸びるんだろうな。



「良かったね、まだ成長期で」
「うるせー」



私の皮肉に軽く頭を小突いてきた。
顔を合わせてくすくす笑う。
こういうじゃれ合い、好き。
きっとエドとだから、こういうやさしい感じなんだ。



すき、だなぁ





「ね、エド、もうウィンリィに『チビ』って言われないで済むね」
「そうだな」



大きくなったエド。
かっこよくなったエド。
どんどん魅力的になってる。
私は隣でどんどん魅力的になるエドを見てる。



「ね、背伸びても私のこと好きでいてくれる?」



かっこよくなってくエドを見てると不安になる。
だって、私より魅力的な人、いっぱいいるよ。
今のエドとウィンリィが並んだら、素敵なカップルに見えるよ。
かわいくて元気でやさしいウィンリィ。
ね、エド、どこか行ってしまうの?



「なんで身長伸びたら以外を好きになるんだよ」



へんなやつ、って笑って私の頭を撫でたエド。
だって、だって、だって。
かっこよくなるエドを見てると、いつかいなくなってしまいそうなんだもん。



いかないで。



そばにいて。



ぎゅっとエドの手を握る。



私にはエドしかいないんだよ。
私はそんなに魅力的じゃないかもしれない。
エドはどんどん背も伸びて、どんどんかっこよくなるかもしれない。



だけど、






「いつまでもエドの隣にいたいの」






おねがい。



背だってちっちゃくてもいいの。
牛乳だって飲めなくてもいいの。
たまに無茶するのだっていいの。
どんなエドでも私は構わないの。



エドの手が私の手をぎゅって握り返した。
そのまま頭をゆっくり引きよせてくれる。
エドの鼓動。
こころがおちつく。



「オレは、が好きなの。
 一生変わらないの。
 だからから離れることはないの」



なんだか、ちょっと怒った声。
でも私はうれしくて仕方なかった。
体をぎゅってされる。
だから私もぎゅってした。



「むしろどんどんかわいくなるのが心配」
「えっ?あっ」



さらに顔をエドの胸に抑えつけられた。
ちょっとくるしい。



「言っとくけど、オレのがどきどきしてる」



かわいいがオレ以外を好きになったらどうしよう、って。



耳元で聞こえた声。
ちょっと低くなった声。
ドキドキがエドに聞こえるんじゃないかってくらい。
顔がどんどん熱くなってきて、エドが笑っている気がする。
なんだかくやしい。
だけど、          うれしい。



「いつまでもオレの傍にいなさい」



命令口調。
いつもならくやしいけど。
だけどその笑顔がたまらなくかっこよくて。



私は一生この人を心底好きなんだなぁって思った。









エドへのおねがい。
いつまでも私の傍にいてください。










(2009/04/03)
ばかっぷる。